俺は黙って立ち去ろうとした。 もう2度とここには来ないと誓って。 そろそろ時間だ。 行かなくては。 「待って。」 去ろうとする俺の服の裾を、洋子が掴んでいた。 「やっと会えた。」 少し冷たい風が俺たちの間を通り抜ける。 静寂。 秋がすぐそこまで近づいていた。 ー終ー