マカは車椅子を押しながら、エレベータに乗り、部屋に戻った。

「悪いが車椅子はここまでだ」

「分かってるよ。マカ、抱っこ」

「はいはい」

車椅子を玄関先に置いて、マカはリウをお姫さま抱っこして、リビングに入った。

ソファーにゆっくりと下ろす。

「オレンジジュースで良いか?」

「うん。お願い」

人懐っこく、表情がクルクルと回るリウは、愛されやすい存在だった。

マカも何となく、面倒を見てしまう。

リウの両足は、血族のモノがどんなに頑張っても治らなかった。

リウの両親は一人息子であるリウを溺愛しているものの、両足のことで多少は負い目もあるのだろう。

リウの言うがままに育て、多少ワガママになっている。