恋愛野獣会

店内は金色の壁に派手な模様が施してあって、それを見ているだけでも異世界に来てしまったように錯覚する。



「こっちよ」



通された先はスタッフルーム。



その中は当然地味な白い壁で、ホッとした。



「あ、あの……」



「私はユカ。源氏名だけど、覚えていて?」



「あ、はい。私は明日香です」



「明日香ちゃん、可愛い名前ね」



ユカさんはそう言いながら私にコーヒーを出してくれた。



すごくいい香りだ。