「あの方、私のいいなずけですわ」



「へぁ……!?」



思わず奇妙な声を張り上げる。



いいなずけ!?



桜子の!?



「といっても、過去の話しですわ。


あの方のご両親が仕事に失敗して縁談は白紙。


元々白夜先輩はわたくしとの結婚を嫌がってましたし」



そ、そうだったんだ。