ロクな思い出はなくても今までお世話になった場所だし、退学理由を説明する時の事を思えば気が重い。 でも……行くしかない。 大きく息を吸い込んで、コンコンッと軽くノックした。 「はい」 中から校長の図太い声が聞こえてくる。