桜子はこの学校でも一番の名家のお嬢様だ。



ちょっと調べればクラスメイトの家の事情くらい、いくらでも手に入れることができる。



「全然、平気だから!!」



バンッ!



と机を叩き、その勢いで立ち上がる。



クラス中からの哀れみの視線と、せせら笑いが耳につく。



私はグッと下唇をかんで教室を出たのだった――。