―でも、この世界は残酷で。
時は、淡々と刻まれる。





「…―うぅ〜。せんぱぁい…」


当日。
あちらこちらから聞こえる啜り泣く声。

あたしは、誰に向けて
泣いて良いかわかんない。


顔。知らない。
何も。知らない。



最後くらい。
卒業くらい。



逢いたかったなぁ―…。