嘉は、確かに今は話しが出来るような状態じゃなかった。 パリンッ… 「嘉っ!?」 「血ぃ出てんぞ…。」 「………。」 ……嘉にコップを握り潰す力があるなんて驚いた。 「救急セット持ってこい。」 「…蓮、いらないから。」 「血ぃ出てんだぞ?お前、まずは落ちつけ。」 ドクドクと、嘉の手から血が流れてる。 手首の血管にもたぶんガラスが触れたのね。 だから止まらない。 「……赤い、ね。」 「嘉……?」 「侑希ちゃん……。」 おかしい。 嘉の目が、すべてを諦めたような、悲しい色に染まっている。