目の前にいるのは、黒い髪に深く深く暗い瞳を持つ男の子。 4歳か、5歳くらいだろうか。 俺のことを見てニコニコと笑っている。 「レンジ、」 その名前は、俺の名前だ。 この男の子は、誰だ? この男の子は――――― ――――俺の、兄。 妙にしっくりきて、ああ俺には兄貴がいたのかと納得した。