マスターが制裁を加えることはないけれど、MOONの登録者はほとんど全員が彼に息の根を止められる。 …あの瞬間が私は嫌いだ。 彼の目、表情、そして…言葉。 あれを思い出すと、呼吸の仕方が分からなくなる。 目の前が真っ暗になって、何も分からなくなって…… ……私も、いつかあの言葉を向けられるのだろうか。 それだけで私の全てを否定する、あの言葉を……。 「侑希ちゃん?顔色が、悪いけど大丈夫?」 「……っ、ええ…。」 嘉の探るような瞳に、狼狽する自分の姿を見た。