不意に晴斗が振り返って、目が合いそうになったあたしは慌ててカーテンを閉める。




「……好き…っ」




聞こえるはず、ないのに。


聞こえたら、困るのに。



聞こえてほしいって思ってる。




嫌いだから離れるんじゃないんだよ。



好きだけど、離れるんだよ。



晴斗に勘違いされたくなくてそんなことを思う、あたしはズルい。





伝える勇気も、ないくせに。