愛おしいものをみるようなそんな瞳をしている。 『これは俺がバイトして貯めたお金で買ったんだよ。だから汚い金でもなんでもない。まぁ,あまりいい仕事じゃあなかったけどね。それで,買ったのはオークションだよ。これでいい?安心して受け取ってよ』 そう言ってまた渡してくれる。 あたしは渋々受け取った。 心にはモヤモヤとしたものが霞み掛かっている。 何故なら。 あたしは,透に酷い事言ったのに,透は微塵も不愉快な表情をしないから。