『あれ??もしかして気付いてないの?』 『…何が?』 じりじりと歩み寄ってくる透。 その向こう側には朝焼けの光が僅かに見えた気がしたが 『これ,全部俺がやったんだよ?』 正体は無機質な階段の電灯で。 その光さえも透の背中に隠れる。 嗚呼。 ここでは,朝焼けすら見られない。 絶望が押し寄せた。