見えない誰かに対しての【嫉妬】に駆られた俺はここでモノクロのハンカチをポケットから取り出し,

『……ごめんね,世憂姉。』

世憂姉の口と鼻に優しく…抵抗出来ない程度に押し付けた。



そのハンカチは世憂姉が去年,俺の誕生日にプレゼントしてくれたもの。

大切極まりないけど,世憂姉の為だからちょっとばかり薬品を染み込ませておいたんだ。

やっぱり世憂姉が一番大切だからね。



ふわり,と世憂姉を抱き上げたが骨折した方の腕が強烈に痛み,世憂姉を落としそうになったので,世憂姉には悪いけど,引き摺ることにした。





…地下室まで。