『とお,る?』 ギュゥッと腕を掴む力が強くなったかと思うと 『…危険だ!』 透は折れているはずの腕をガバッとあたしの膝の下に滑り込ませ、あたしを持ち上げた。 『きゃっ?!な,何?!透?』 思わず透の首にしがみついてしまう。 透は瞳を細かく揺らし,焦点が全く合ってない。 腕も折れてて痛いはずなのにあたしを抱き抱えるなんて…。 あたしは周りの好奇の目線よりも透が心配になった。