【仮】首輪を,キミに。


『どう?』

『美味しい。』

良かった。美味しいって言ってもらえて。



『でも蒼空の下で食べたかったな』

遠い目をしている世憂姉は憂いを帯びていて,自分の姉だというのにドキンと胸が高鳴った。

しかし,これは背徳の愛なんかじゃない。

紛れもなく,姉を姉として愛してるだけだから。



『今は何時なの?薬で眠ってたりしたから時間がわからなくて…』

ふと,世憂姉はフォークを止めて困った顔をした。