密会は婚約指輪を外したあとで

私の素材ではなく、あくまで翔さんの腕をほめるつもりのよう。


「全く……、素直に可愛いって言えばいいのにね」


翔さんがボソリともらすけれど、拓馬は聞いていない様子で何かを考え込んでいた。


「あとは、この地味すぎる服をなんとかしないとな。どこの店がいいか……」

興味がないのか、一度私を見たきりで目を合わせてくれない。


「あ、それなら奈雪ちゃんに似合いそうなブランド、近くにあるよ。行ってみたら」

翔さんに場所を教えてもらい、私たちはそこへ向かうことにした。