密会は婚約指輪を外したあとで




ハルくんに誘われた土曜日が来るまで、履歴書を書いたり、面接をいくつか受けに行ったりしていた。

今は結果待ちの落ち着かない状態。


それでも気晴らしにと誘ってくれたハルくんに悪いから、出かける準備を始めた。


ドレッサーの前でふと、拓馬が化粧の濃い女が好みだと言っていたのを思い出す。


化粧が濃いって、どれくらい……?


私はファッション誌のメイク特集を開きながら、自分のできる限りの濃いメイクを施した。


アイラインをいつもより太く入れてみたり。
ブラウンのアイカラーを濃くしてみたり。


でも、鏡の中の自分は綺麗になったのか、なっていないのか。自分では判断つかない。

とりあえずメイクをしないよりはマシだろうと思い、茶系の花柄ワンピースに袖を通した私は佐々木家へ向かった。