どう見ても、恋人同士にしか思えない二人。
胸の奥が、ガラスで突き刺されたのと同じくらいに痛み出す。
いつもキツいことしか言わない拓馬が、彼女にかける優しい声とか、心配そうな眼差しとか。
全部、自分の勘違いであってほしかったのに。
「ほら、言ったとおりでしょ。本気にならないでおいた方が、後々傷つかなくて済むと思うよ」
繋いでいたハルくんの手が離れても、私は彼らが消えていった方角を見つめたままだった。
「……って、もう──遅かった?」
困惑したようなハルくんの声。
彼の指先が私の頬に触れて、私は片方の目から涙を零していることに気づいた。
涙を流すほど拓馬のことを想っていたなんて。自分でも信じられない。
意地悪な言葉しか口にしない、彼のどこに惹かれていたのか。
恋を知ったばかりの私には見当もつかなかった。



