店内は昼時ということもあって、マダムみたいな中年のおばさま方が多い。
パスタのランチセットを2つ注文したあと、私は目の前に座る拓馬さんに、気がかりなことを尋ねてみた。
「あの……、明日、一花ちゃんのお世話を頼まれたんですけど、私なんかでいいんでしょうか」
私は別に保育士の資格を持っているわけでもないのに、よそ者に任せるなんて心配ではないんだろうか。
「なんで? そのうち兄貴の嫁になるなら、一花の母親になるってことだし問題ないはずだよな」
そうだった……、拓馬さんとハルくんは私が仮の嫁だってこと、知らないんだった。
誤解を解きたいけど、一馬さんと約束しているからそれはできそうもない。
勝手にばらしてしまったら、契約違反として多額な損害金を請求されることになりそうだ。
それどころか、お金ならまだしも、体で返せと言ってくる可能性もある。それは絶対に避けたいところ。



