密会は婚約指輪を外したあとで

まだ子どもなのにお母さんを亡くし、こんな私をお母さんの面影と重ね、抱きついてきた彼。

可愛くて、可哀想で。

この子が望むことなら何でもしてあげたい。そう思った。


「なゆさんて、本当にいい匂いだね。こうしてると安心する。寂しいのも忘れられるよ」

「ハルくん……私にできることなら、何でも言ってね」


母性本能をくすぐられた私は、ついつい大サービス発言をしてしまった。


「いいの?」

ハルくんは顔を上げ、目を輝かせて私を見る。