私、一馬さんのこと好きになってもいいのかな。
元・一目惚れの彼、拓馬さんはあんなキツイ性格だと判明したし、外見以外好きになれそうもないから。
「今日は本当にありがとう、助かったよ。少ないけど、これは謝礼」
マンションの駐車場に停められた車に乗り込むと、一馬さんは細長い封筒を手渡してきた。
中身を覗くと壱万円札が入っている。
「そんな……こんなに受け取れません!」
私は慌てて突き返そうとする。
けれど一馬さんは受け取らなかった。
「それならさ、明日も来てくれる? 夕飯を作りに」
「夕ご飯、ですか」
「明日は本当なら拓馬が夕飯作りの当番なんだけど、仕事で帰るのが遅くなるっていうから。簡単にできるカレーライスとか、作り置きしておいてもらえると嬉しいな」



