ハルくんからの質問攻めをいくつか切り抜けたあと。
一馬さんと私のツーショット写真をハルくんに撮ってもらい、婚約者ごっこは無事に終了した。
帰りぎわ、リビングを出る際に、一馬さんは私の手を繋いできた。
温かい大きな手のひらに包まれて、演技だと分かっているのにドキドキしてしまう。
最後までぬかりなく演じているから、うっかり私自身まで本当の恋人同士だと勘違いしそう。
「なゆさん、また来てね」
屈託なく笑うハルくんに手を振り返し、玄関を出た私は緊張がとけ、安堵のため息を零した。
◇
斜め前を歩く一馬さんの背中を眺めていると、体育会系の広い肩幅で見惚れてしまう。
腰は細く引き締まっていて、理想的な逆三角形だ。



