密会は婚約指輪を外したあとで


ハルくんからの質問攻めをいくつか切り抜けたあと。

一馬さんと私のツーショット写真をハルくんに撮ってもらい、婚約者ごっこは無事に終了した。




帰りぎわ、リビングを出る際に、一馬さんは私の手を繋いできた。

温かい大きな手のひらに包まれて、演技だと分かっているのにドキドキしてしまう。

最後までぬかりなく演じているから、うっかり私自身まで本当の恋人同士だと勘違いしそう。


「なゆさん、また来てね」


屈託なく笑うハルくんに手を振り返し、玄関を出た私は緊張がとけ、安堵のため息を零した。





斜め前を歩く一馬さんの背中を眺めていると、体育会系の広い肩幅で見惚れてしまう。

腰は細く引き締まっていて、理想的な逆三角形だ。