密会は婚約指輪を外したあとで



「わかった。じゃあ、飯は各自にするかな」


一馬さんは彼へそう答えると、呆然としている私に向き直った。


「あいつはもう一人の弟で、拓馬。俺の4つ下なんだ」

「は……初めまして。お邪魔しています」


慌てて頭を下げると、微かながらも会釈を返された。

一馬さんと同じくらい背が高くて。180cmは軽くありそう。

末っ子の春馬くんはまだ成長途中なのか、159cmの私より少し高い程度。


一馬さんは私の背中を優しく押してリビングへ案内してくれた。


「ソファに座って待ってて。お茶入れてくるから」

「あ、お構いなく……」


一馬さんがキッチンへ立ってしまい、私はリビングに弟さんたちと取り残された。
どこか気まずい雰囲気が漂う。