「拓馬のこともあって、家族の大切さを再認識したというか。生涯を終えるまでに一番したいことは、楓と一花と三人で居ることだって気づかされたんだ」
楓さんは、付き合っていた男性とは長く続かなかったらしく。一馬さんの説得、アプローチが効いたのか再婚を考える決意をしたという。
「ママ、今日おうちに来てくれるの?」
「うん」
「……明日も? あさっても?」
「そうだよ。これからもずーっと一緒」
「やったぁ! いちか、今日ね、ママの隣で寝るー」
瞳を輝かせる一花ちゃんが、実の母である楓さんと再び一緒に暮らせると知り、涙が溢れて止まらなかった。
娘の心からの笑顔を見て、一馬さんが幸せそうに微笑んでいる。
全ての人が、こんな風に元に戻ることは難しいのかもしれない。
でも……家族を失い、寂しさを抱えたままの子どもたちが少しでも減って、幸せを見つけて欲しいと願わずにいられなかった。
こっそり涙を拭っていると、一馬さんがスマホを片手に立ち上がるのが見える。
まだ渡していない一花ちゃんへのプレゼントをハル君に託し、私はそっと一馬さんの後を追った。



