いけないと分かっていながら、好奇心に負けてその写真立てに触れ、表に返す。
きっとこの写真に一馬さんの心の一部が隠されていると思ったから。
──そこに写っていたのは結婚式の写真とは対照的に、ほぼノーメイクの楓さんが、生まれたばかりの小さな赤ちゃんを抱き、愛おしそうな眼差しで柔らかく微笑む姿だった。
おくるみにくるまれた赤ちゃんは満たされた様子でぐっすり眠っている。
幸せだった時期も確かにあったんだ……。
知らず知らずのうちに私の目から涙が込み上げてきた。
「パパね、いっつもママの写真を見てから寝てるんだよー」
「……そうなの? パパは、ママのことがまだ好きなのかな」
別れた奥さんなのに──まだ未練があるということ?
楓さんが『付き合い始めた人がいる』と告げたときの一馬さんの反応を思い出す。
あれは動揺を無理に隠している横顔だった。
「いちかは、パパとママ、好きだよ」
「……そっか。きっとパパとママも一花ちゃんのことが大好きだと思うよ」
じゃあ、どうして二人とも一緒にいてくれないの? と聞かれるのが怖かった。
「──何をしてるのかな?」
一馬さんの低い声が背後から聞こえ、ビクリと肩を震わせる。
入っていけないと言われた部屋なのに。
約束を破ってしまった私にどんな罰が下るのだろう。
きっとこの写真に一馬さんの心の一部が隠されていると思ったから。
──そこに写っていたのは結婚式の写真とは対照的に、ほぼノーメイクの楓さんが、生まれたばかりの小さな赤ちゃんを抱き、愛おしそうな眼差しで柔らかく微笑む姿だった。
おくるみにくるまれた赤ちゃんは満たされた様子でぐっすり眠っている。
幸せだった時期も確かにあったんだ……。
知らず知らずのうちに私の目から涙が込み上げてきた。
「パパね、いっつもママの写真を見てから寝てるんだよー」
「……そうなの? パパは、ママのことがまだ好きなのかな」
別れた奥さんなのに──まだ未練があるということ?
楓さんが『付き合い始めた人がいる』と告げたときの一馬さんの反応を思い出す。
あれは動揺を無理に隠している横顔だった。
「いちかは、パパとママ、好きだよ」
「……そっか。きっとパパとママも一花ちゃんのことが大好きだと思うよ」
じゃあ、どうして二人とも一緒にいてくれないの? と聞かれるのが怖かった。
「──何をしてるのかな?」
一馬さんの低い声が背後から聞こえ、ビクリと肩を震わせる。
入っていけないと言われた部屋なのに。
約束を破ってしまった私にどんな罰が下るのだろう。



