◇
「ただいまぁ」
大きな可愛らしい声が、静まり返った家の中に響く。
誰もいないと分かっていても、一花ちゃんは「おかえり」と返ってくる声を期待しているのか、リビングのドアをじっと見つめている。
数秒待っても返事はないのが分かり、寂しそうな顔をしたあと。
一花ちゃんは小さな靴を自分で脱ぎ、まだ3歳だというのにきちんと爪先の方向を揃えて並べていた。
以前までの自分は、3歳という年齢はほとんど赤ちゃんに近いものだと思っていた。
でも一花ちゃんと接しているうちに、予想以上に頭が良くて大人より凄い一面をたくさん持っていることに気づかされた。
今夜は拓馬はまだ仕事、ハルくんは従兄の家にいるそうで帰りは遅いらしい。
「なゆお姉ちゃん、ちょっと来てー」
一花ちゃんから遅れてリビングに入ると、奥の部屋から私を呼ぶ舌足らずな声がする。
「早くー、おいでー」
「どうしたの?」
「パパとママの写真見てたの」
私は一馬さんの部屋に入ってはいけないと言われているから、ドアの前で立つ。
中を覗いてみると、一花ちゃんは床に座り込み、写真集のような凝ったデザインのアルバムを見ているところだった。
「きれいでしょ」
得意げに見せてくれたページに写るのは、教会をバックにして立つ、白いタキシード姿の一馬さん。
その隣には純白のウェディングドレスを着た楓さんが綺麗に微笑んでいた。
今よりも、もう少し若い二人。
どうやら一馬さんと楓さんの結婚式のときのアルバムのようだった。
「ただいまぁ」
大きな可愛らしい声が、静まり返った家の中に響く。
誰もいないと分かっていても、一花ちゃんは「おかえり」と返ってくる声を期待しているのか、リビングのドアをじっと見つめている。
数秒待っても返事はないのが分かり、寂しそうな顔をしたあと。
一花ちゃんは小さな靴を自分で脱ぎ、まだ3歳だというのにきちんと爪先の方向を揃えて並べていた。
以前までの自分は、3歳という年齢はほとんど赤ちゃんに近いものだと思っていた。
でも一花ちゃんと接しているうちに、予想以上に頭が良くて大人より凄い一面をたくさん持っていることに気づかされた。
今夜は拓馬はまだ仕事、ハルくんは従兄の家にいるそうで帰りは遅いらしい。
「なゆお姉ちゃん、ちょっと来てー」
一花ちゃんから遅れてリビングに入ると、奥の部屋から私を呼ぶ舌足らずな声がする。
「早くー、おいでー」
「どうしたの?」
「パパとママの写真見てたの」
私は一馬さんの部屋に入ってはいけないと言われているから、ドアの前で立つ。
中を覗いてみると、一花ちゃんは床に座り込み、写真集のような凝ったデザインのアルバムを見ているところだった。
「きれいでしょ」
得意げに見せてくれたページに写るのは、教会をバックにして立つ、白いタキシード姿の一馬さん。
その隣には純白のウェディングドレスを着た楓さんが綺麗に微笑んでいた。
今よりも、もう少し若い二人。
どうやら一馬さんと楓さんの結婚式のときのアルバムのようだった。



