その後、一馬さんは楓さんと自宅で話し合いをすることになったとかで、噴水公園で今日は解散することとなった。
「ママ、お家に来てくれるの? やったぁ!」
嬉しさを抑え切れない一花ちゃんが、楓さんの周りを飛び跳ねる。
楓さんは困ったように笑って、娘の頭を撫でていた。
これから先の未来を考えると、一花ちゃんが可哀想でならない。
一花ちゃんが幸せになれる方法は他にないのだろうか。親の幸せばかりが優先されている気がして、やるせない。
「ごめんね、なゆちゃん。また今度ゆっくり会おう」
帰り際、一馬さんに小声で謝罪される。
「悪いけど、ハルか拓馬に送ってもらって」
「いえ、まだ昼間だし一人でも大丈夫ですよ」
私は慌てて両手を振る。
「なゆさんは拓兄に送ってもらったら? 僕はこれから出かける用事があるから」
悪戯っぽく微笑むハルくんに気を遣われた形になり、私は拓馬と不自然ではなく二人きりになることができた。



