密会は婚約指輪を外したあとで


拓馬に振られて気まずくなり、佐々木家との繋がりはなくなってしまったとしても。

いつまでも続く胸の痛みを放置している方がよっぽど不健康。

私の存在はただ、一花ちゃんに新しいママが現れる機会を遠ざけているだけで。

一馬さんにとってもマイナスにしかならない。

早く新しい彼女を見つけて、今度こそ幸せになって欲しい。

それを叶えるには、まず自分の正直な気持ちを伝えるしかない。

そう決断すると、途端に緊張してきた。



アパートに戻り、ベッドの上でメールを打つ指すら震える始末。


何て言って呼び出そう?

話があります、じゃ重いかな。


『相談したいことがあります。今度会えますか?』


結局10分ほど悩み、この文章に決めた。


返信が返ってくるまで、狭い部屋の中を行ったり来たり、落ち着かない時間を過ごした。


そして一時間後──

スマホから短い通知音が鳴り、メッセージが届いた。

私はそれを震える手で開封する。