「あれ? どうかした? そんなに赤くなっちゃって」
後からやってきた一馬さんが、熱くなった私の頬へ不思議そうに触れてくる。
その瞬間、どこからか舌打ちが聞こえてきた。
「や、あの、特に意味はなく」
「……素直じゃないな」
誰に言うとでもなくつぶやいた一馬さんが拓馬を見ながら小さく笑い、娘のために飲み物を入れに行く。
私に言ったわけではないようだ。
「ごちそうたまー」
一花ちゃんの舌足らずな声で、妙な空気がわずかに和んだ。
「一花、パパとお風呂入ってこようか」
「うん。パパと入るー」
「なゆちゃんは遠慮なくご飯食べてて」
「はい、すみません。……いただきます」
席につき、私は卵とわかめのスープに口をつける。
一馬さんたちは親子で脱衣所に消えてしまったので、私と拓馬は二人きり。
何から話していいものか。つかの間の沈黙が訪れた。
「──あのさ。普通、途中で起きるよな。何、朝まで寝てんの」
静寂を破ったのは、明らかに不機嫌な拓馬。
カウンター越しに私を睨み付けてくる。
やっぱり、昨日見たTVの中の拓馬の爽やかな微笑みは、完全な偽物だ。
今の彼と同じ人物とは思えない。
後からやってきた一馬さんが、熱くなった私の頬へ不思議そうに触れてくる。
その瞬間、どこからか舌打ちが聞こえてきた。
「や、あの、特に意味はなく」
「……素直じゃないな」
誰に言うとでもなくつぶやいた一馬さんが拓馬を見ながら小さく笑い、娘のために飲み物を入れに行く。
私に言ったわけではないようだ。
「ごちそうたまー」
一花ちゃんの舌足らずな声で、妙な空気がわずかに和んだ。
「一花、パパとお風呂入ってこようか」
「うん。パパと入るー」
「なゆちゃんは遠慮なくご飯食べてて」
「はい、すみません。……いただきます」
席につき、私は卵とわかめのスープに口をつける。
一馬さんたちは親子で脱衣所に消えてしまったので、私と拓馬は二人きり。
何から話していいものか。つかの間の沈黙が訪れた。
「──あのさ。普通、途中で起きるよな。何、朝まで寝てんの」
静寂を破ったのは、明らかに不機嫌な拓馬。
カウンター越しに私を睨み付けてくる。
やっぱり、昨日見たTVの中の拓馬の爽やかな微笑みは、完全な偽物だ。
今の彼と同じ人物とは思えない。



