「兄貴に見せたら喜ぶかもな」
棒読みのように言い捨て、すぐに目をそらし会計の方へ行ってしまう。
自分では意外と似合うかも、と思ったから、彼も少しくらいほめてくれるかと期待したのに……。
「彼女さん、このワンピース、よくお似合いでしたね」
レジでスタッフの女の人から社交辞令を受け、愛想笑いで流している拓馬。
“彼女”という言葉を否定しなかったのは面倒だったからだとしても、私にとっては嬉しかった。
ファッションビルを出ると、すでに日が落ちてきていた。
「このあと、どうする?」
拓馬に聞かれ、もう帰らなければいけないのかと残念に思いながらうつむく。
「何もないなら、軽く食べてから帰るか」
「──そうだね」
彼の提案に、私は急に生き返ったかのような勢いで顔を上げた。
できれば、この日が終わってほしくない。ずっと続けばいいのに。
そうすれば、余計なことは忘れて二人きりでいられるから。
◇
適当に入った店は、落ち着いた雰囲気のカフェバーだった。
案内された個室は二人掛けのソファが窓の方を向いていて、夜景を楽しめる造りになっている。
私はバッグ一つ置けるくらいの間隔を開けて彼の左隣に腰を下ろした。
隣同士で座るなんて本当にデートをしているみたい。
棒読みのように言い捨て、すぐに目をそらし会計の方へ行ってしまう。
自分では意外と似合うかも、と思ったから、彼も少しくらいほめてくれるかと期待したのに……。
「彼女さん、このワンピース、よくお似合いでしたね」
レジでスタッフの女の人から社交辞令を受け、愛想笑いで流している拓馬。
“彼女”という言葉を否定しなかったのは面倒だったからだとしても、私にとっては嬉しかった。
ファッションビルを出ると、すでに日が落ちてきていた。
「このあと、どうする?」
拓馬に聞かれ、もう帰らなければいけないのかと残念に思いながらうつむく。
「何もないなら、軽く食べてから帰るか」
「──そうだね」
彼の提案に、私は急に生き返ったかのような勢いで顔を上げた。
できれば、この日が終わってほしくない。ずっと続けばいいのに。
そうすれば、余計なことは忘れて二人きりでいられるから。
◇
適当に入った店は、落ち着いた雰囲気のカフェバーだった。
案内された個室は二人掛けのソファが窓の方を向いていて、夜景を楽しめる造りになっている。
私はバッグ一つ置けるくらいの間隔を開けて彼の左隣に腰を下ろした。
隣同士で座るなんて本当にデートをしているみたい。



