それから二時間後、あたし達は図書館を後にした。


「結局、借りたんだね」


「まっ、まだ途中だったし!」


あたしが持っているパソコン関係の本に視線を遣った真保に、言い訳のように切り返したのは少しだけバツが悪かったから。


彼女はクスクスと笑って、グッと伸びをした。


「帰ったらまた勉強するかな〜」


「まだするの!?」


「当たり前でしょ。あたしは薬学部に行って、薬剤師になりたいんだもん。受験までもう時間ないし、追い込まなきゃ」


夕暮れ時の太陽が空をオレンジ色に染める中、真保はどこか誇らしげに微笑んだ──。