雪ちゃんの通っている大学までは、この街からだと一時間くらい掛かる。


その上、彼は家庭教師のバイトだってしているから忙しいのはよくわかっているし、そのせいで会えないのも仕方ないとは思う。


だけど……。


最近は電話やメールすらもまともに出来ていない事もあって、日に日に寂しさが膨らんでいくばかりだった。


「さっきメールしたら、今日も会えないって言われたんだよ……」


「理由は?」


「急にバイトになったんだって……」


「じゃあ、仕方ないでしょ」


真保は眉を寄せながらも、慰めるようにあたしの頭をポンポンと撫でてくれた──。