結局、雪ちゃんに散々鳴かされたあたしは、夕食の支度を手伝うどころじゃなくなってしまって……。


お母さんが帰って来た事にも気付かないくらいグッスリと眠っていた事を、夕方になって目が覚めてからすごく後悔した。


あたしが寝ている間に雪ちゃんとお母さんが準備してくれた夕食は、大きなテーブルを埋め尽くす程のご馳走だった。


こんな風に誕生日を祝ってくれる彼と家族に囲まれて、言葉に出来ないくらいの大きな喜びに心が包まれる。


いつの間にか抱いていた後悔は消えて、代わりに雪ちゃんや家族に大切にして貰っている事に幸せを感じて、ずっと笑顔で過ごしていた──。