ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

いつの間にか雪は止んで、霧のような雨に変わっていた。


あまりにも一瞬の出来事だったその時は、もしかしたら幻を見ていたのかもしれない。


だけど……。


あたしにはやっぱり雪が降ったとしか思えなくて、それが雪ちゃんがくれた優しさだとしか思えなかった。


『何があっても、自分から“生きる事”を諦めちゃダメだよ』


雪ちゃんのいない世界でも生きていくように言った彼は、誰よりもあたしの事を想ってくれていて……。


そして、何よりも残酷な未来をあたしに与えながらも、それ以上に深い愛と優しさを残してくれたのかもしれない──。