ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

例えば、今感じた事を誰かに話しても、信じて貰えないのかもしれない。


だけど……。


あたしには、この雪が雪ちゃんだと思えて仕方が無かった。


ねぇ、雪ちゃん……。


「ず……るい……よぉっ……!」


恐怖心も不安も、まだ芽生えていない。


足やお腹は酷く痛むけど、体はまだ辛うじて動く。


「ひっ、っ……うっ、ふぇ……っ……」


雪ちゃんのいない世界で心に痛みを抱えたまま生きていくくらいなら、どんなに体が痛くても彼の元に行きたいと思ったのに……。


もうこれ以上、沖に足を進める事は出来なかった。