“その日”も、いつもと変わらない朝だった。


涙混じりに目を覚まして、お兄ちゃんや両親と一緒にほとんど食べられない食事を摂る。


二ヶ月近くもロクに食べる事が出来ずにいるあたしは、ここ数年で一番痩せているかもしれない。


どれくらい痩せたのかはわからなかったけど、スカートやパンツのウエストは明らかに緩くなっていたし、鏡に映るあたしの顔はほっそりとしていた。


「ご馳走様でした……」


お兄ちゃん達は、今日もほとんど食事に手を付けなかったあたしを心配そうに見ながらも、決して強制して食べさせたりはしなかった。