「渚……。明日から期末テストなんだろ?つらいだろうけど、ちゃんと学校に行け……」


雪ちゃんの葬儀から二週間くらい経った頃、お兄ちゃんからそう言われたけど、もちろん学校に行くつもりなんて無かった。


だけど──。


「真保ちゃんも心配してくれてるし、何よりもお前が卒業出来なかったら雪緒が悲しむぞ……」


葬儀の翌日からきちんと出勤していたお兄ちゃんの言葉には、何に対しても無気力になってしまったあたしの心を揺さ振るだけの重みがあった。


そして……。


何よりも、雪ちゃんが悲しむと言われた事がつらくて、胸の奥がズキリと痛んだ。