ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

葬儀場に着くと、お通夜の準備が進められていた。


もう動く気力すら無かったけど、雪ちゃんが眠る棺の傍にいるおじさんとおばさんに歩み寄って、マリッジリングの箱を開けた。


「本当はね……今日はマリッジリングを買いに行く約束をしてたの……。雪ちゃんに着けてあげてもいい……?」


二人は真っ赤になった目を小さく見開いた後、優しい笑みを浮かべた。


「ありがとう……」


そう呟いたのはおじさんで、おばさんは雪ちゃんとよく似た笑みを歪ませながら泣いていた。


あたしは、雪ちゃんの左手の薬指にそっとリングを嵌めた。