切なさと愛おしさを、この胸に抱えて……。


雪ちゃんの為だけに浮かべた笑顔で、彼への愛を紡ぐ。


「雪ちゃん、好きだよ……」


呆気ない程に短い言葉の中に、雪ちゃんへの想いの全てを込めた。


すると、彼は驚いたように目を小さく見開いた後、苦しげに眉を寄せながら目を閉じた。


「雪ちゃん……?」


反射的に雪ちゃんの手を強く握ると、彼がゆっくりと瞼を開いた。


そして、その視界の中にあたしを捉えた瞬間……。


雪ちゃんはいつものように瞳を柔らかく緩めて、眩しいくらい幸せそうに笑ったんだ。