「さっき、おばさんに電話したんだろ?雪緒、どうだって?」


「今朝早くに一度だけ目を覚ましたきり、また眠ってるって」


小さく答えると、お兄ちゃんがため息をついた。


薬が効いているのか、昨日はあれから雪ちゃんが目を覚ます事は無かった。


それどころか、おばさんが戻って来た直後に一度昏睡状態に陥った程で、処置を施される彼を目の当たりにして涙が止まらなかった。


夜になって病院に来たお兄ちゃんが、わざとらしいくらいに憎まれ口を叩いても……。


あたしが何度呼び掛けても、雪ちゃんは反応してくれなかった。