ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

胸の奥が鈍く痛んだのは、雪ちゃんがどこか泣きそうに見えたから。


彼が傷付いた顔を隠すように笑った事に気付けない程、あたしは鈍感じゃないけど……。


向けられた微笑みに、どんな言葉を返せばいいのかがわからない。


雪ちゃんが敢えて、マリッジリングじゃなくて“エンゲージリング”を選んだのは、これ以上“お揃いの物”を増やしたくなかったからなのかもしれない。


そんな風に思ってしまったせいで、幸せを与えてくれたリングがすごく寂しげに見えて──。


「雪ちゃん……」


あたしは考えるよりも先に、口を開いていた。