「渚、顔色悪いよ。大丈夫?……じゃないか」


昼休みを迎えた騒々しい教室で、真保があたしの顔を覗き込みながら眉を寄せた。


彼女に雪ちゃんの病気の事を話したのは、つい一ヶ月前の事。


最初はどう切り出せばいいのかわからなくて、彼と海岸で話した直後には言えなかったけど……。


真保にはちゃんと話しておきたくて、やっとの思いで話す事が出来た。


あたしが泣きそうになりながら話している間、彼女は唇を噛み締めながら瞳に溜まった涙を堪えていて……。


結局はあたしと同じように、最後までその涙を零す事は無かった。