ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜

次はどんな言葉を投げ掛けられるのかと、思わず身構えてしまう。


雪ちゃんはあたしの手を握ったまま、眉根の力を緩めて柔らかい笑みを浮かべた。


「雪が降ったら、俺の事を思い出して」


唇を噛み締めて、体の奥から込み上げて来るもの達を必死に堪える。


ねぇ、雪ちゃん……。


それはずるいよ……。


生まれた時からこの街で過ごして来たんだから、ちゃんと知ってるでしょ……?


喉元が震えて言葉が声にならないけど、きっとそれでいい。


だって……。


声を出せば、簡単に泣いてしまうと思うから。