「渚。今、単語帳持ってる?」


「うん」


「じゃあ、出して」


「え?」


「ほら、ちょっとくらい勉強しなきゃいけないでしょ。俺が問題出してあげるから、ついでにルーズリーフも出して」


「えぇっ!?絶対に嫌!雪ちゃん、超スパルタなんだもん!」


大袈裟なくらいの反応を見せて、わざと少しだけ拗ねた表情もして──。


「そんな顔してもダメだからね」


楽しげに笑う雪ちゃんに、敢えて今までと変わらない態度を取る。


そして“いつも通り”、苦笑する彼のスパルタな授業を受けるんだ……。