あたしに出来る事は、雪ちゃんと一緒にいる事だけ。


だけど……。


そんな事は、きっと“出来る事”の中には入らないに等しい。


そう考えれば、出来る事は何一つ無いんだって事になって……。


出来ない事ばかりが、容赦無く積み重なっていく。


「ごめんね、雪ちゃん……」


涙混じりの声で呟くあたしを余所に、テレビからは明るい音声が響く。


綺麗な景色を映す画面の向こうは、すごく非日常的だった。


そんな銀世界を見ながら、雪ちゃんもこの雪のように溶けなければいいのに、って強く願っていたんだ──。