雪ちゃんの病気が発覚したのは、八月の中頃──。


あたしの誕生日から、二週間が経った頃の事だった。


長期間の頭痛や目眩、そして目の翳み。


少し前からそれらの違和感に悩まされていた雪ちゃんは、思い切ってこの街で一番大きな病院で受診した。


だけど、この街にある病院では、大した検査は出来なくて……。


結局、大学の近くにある県内でも有名な病院に行くように言われ、その日のうちにそこへ行った。


そこでの診察の後に待ち受けていたのは、様々な検査。


雪ちゃんは、その状況に不安を覚えた。