放課後、すぐに学校を後にしていつもの海岸に行くと、先に雪ちゃんが来ていた。


「雪ちゃーん!」


「うわっ……!」


座っている雪ちゃんの後ろから飛び付いた瞬間、彼の体が勢いよく前のめりになった。


「渚〜!急に飛び掛かって来たら、ビックリするだろ」


「だって、ビックリさせたかったんだもーん!」


「いや、危な──」


「それより、雪ちゃんの方が早いなんて珍しいね!今日は早く終わったの?」


満面の笑みで矢継ぎ早に訊いたあたしに、雪ちゃんは困ったように笑いながら頷いた。