真保は帰り際、どこか迷うような表情であたしにこう言った。


「雪緒君との事、あたしには事情はわからないけど……。でも、何かあるんでしょ?」


「あたしにも、よくわからないの……」


雪ちゃんの事を口にするだけで、また泣き出してしまいそうになる。


「しっかりしなよ。あたしより渚の方がずっと、雪緒君の事知ってるでしょ」


小さく頷いたあたしに、真保が優しく微笑んだ。


「じゃあ、後は自分で考えなさい。それと、明日からはちゃんと学校に来る事!」


もう一度コクリと頷くと、彼女は笑顔で帰った──。