「もう、わからないよ……っ!」


涙声で呟いた言葉が、シーツに溶けていく。


雪ちゃんの気持ちが見えない。


味方でいてくれるって言ったお兄ちゃんが、あたしと雪ちゃんを引き離そうとする意図も見えない。


だけど……。


泣き過ぎてぼんやりとした頭でも、何となく『もうダメなんだ』って事だけは理解してしまったんだ。


同時に、改めて雪ちゃんがいない寂しさと虚しさを実感する。


「……ふ……っ、ぅ……」


失くした恋も愛もあまりにも大き過ぎて、あたしは声を押し殺して泣き続ける事しか出来なかった──。